大きな夢を叶えた小さな家3選

Nami Sasaki Nami Sasaki
House in Shimomaruko, アトリエハコ建築設計事務所/atelier HAKO architects アトリエハコ建築設計事務所/atelier HAKO architects
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「たとえ小さな家でも… ..」みなさんなら、この言葉の後にどんな夢を語りますか?もちろん大きな家に住めればそれに越したことはないかもしれませんが、都心でお財布にも優しくて… となると、なかなかそうはいかないのが現実ですよね。お洒落なデザインにしたい。階下に自分のお店を持ちたい。友達をいっぱい呼びたい。一見実現不可能に思えるそんな夢を見事叶えた、いわゆる「狭小住宅」3選をお届けします。大きな夢を小さな家が叶えました。

螺旋階段を中心として

まず初めにご紹介するこちらの「下丸子の住宅」。東京を拠点に活躍するアトリエハコ建築設計事務所によって設計されました。16坪ほどしかない限られた面積の中で、思いっきりお洒落を楽しんだデザインになっています。玄関を入ってまず目をひくのは、なんといっても螺旋階段。スペースをとる階段は、普通の住宅でもその形状や設置場所に頭を悩ます厄介者。端へ端へと追いやられて、縮こまったデザインになってしまいがちです。ここでは狭小住宅であるにもかかわらず、あえて黒を基調とした螺旋階段を大胆に設置することで、堂々としたシンボルを作り出しました。もちろん蹴込板を抜くことで、空間を広く見せる配慮も忘れません。

隠れ家的ロフト

シンボリックな螺旋階段を上っていくと、次に目に飛び込んでくるのは、吹き抜けに面して作られたロフト。モノトーンの世界から一変して、木目張りのこのロフトは、まるで自分だけの秘密基地のよう。トップライトとすぐ脇の窓から差す自然光が感じられ、天井は低いものの、それが逆に包まれるような心地よさを与えてくれます。狭小住宅だからって、書斎や趣味の部屋を諦める必要は全くありません。

光の差すリビングダイニング

二階のリビングダイニングは、高い天井から陽の光が差し、開放感溢れるデザインとなっています。ここまで上がってくれば、ここが狭小住宅だとはよもや信じられませんね。キッチンにカウンターを設置し、椅子をおけばカウンターがダイニングテーブルに早変わり。お洒落かつ省スペースな、素敵なアイディアです。

仕事場と暮らしの場

次にご紹介するのは、名古屋市の商店街の一角にひっそりと佇むSOHO型住宅。久保田英之建築研究所によって手がけられました。SOHO型住宅とは、Small Office Home Officeの略称で、在宅ワークが出来るスペースを兼ね備えた住居を意味します。ここでは、古い長屋を取り壊して、都市生活をより柔軟に満喫できるような住居が考案されました。しかし敷地はたった20坪の旗竿地。一体どのようなシーンを想定してデザインされたのでしょうか。

外部内部空間

まず玄関を入って感じることは、ここはもう室内なのか、それとも自分はまだ屋外にいるのかという戸惑いでしょう。トップライトからは太陽光が降り注ぎ、玄昌石の階段が続くアプローチ。しかしその先に待っているのは仕事用のデスク。その不思議な感覚は、夜になるとより一層強いものとなります。

七変化する空間

夜になり、間接照明がコンクリート打ちっ放しの壁面を照らし出すと、まるで商業用施設のような、さらにお洒落な空間に。実はここは、カフェやギャラリー、はたまた劇場としても使える自由なスペースとして設計されているのです。玄関の階段には、劇場型のベンチまで備え付けられており、大勢のゲストを呼んでのパーティーだってお手の物。もちろん寝室やお風呂場も完備してあり、住居としての機能性もばっちりです。

太陽を取り入れる

Tsubomi House (Tokyo Bud House), FLAT HOUSE FLAT HOUSE Casas

東京は世田谷区。住宅地に埋もれるように建つこちらの「ツボミハウス」。建築家FLAT HOUSEによって手がけられたこの住宅は、とても大きな夢を叶えてくれました。それはクッキー屋さんをオープンする、というもの。狭いだけでなく旗竿地でもあるという悪条件の中、どのように夢が叶えられてたのか見ていきましょう。

まず特徴的なのは、まるでナイフで角を切り落とされたかのような開口部。道路からの視線を避けつつ、さらに隣家の壁に接することもなく、大きな窓を取り付けることが可能となりました。外からの光がたっぷりと入って、内部空間を明るく照らします。

クッキー屋さん

Tsubomi House (Tokyo Bud House), FLAT HOUSE FLAT HOUSE Casas

入り口を入ってまず目に飛び込んで来るのは、美味しそうなお菓子が並んだショーケース。お客さんとの距離が近く感じられるよう、店舗スペースと住居スペースは、あえて引き戸状のガラスの襖で簡単に仕切られました。家族の気配が感じられるクッキー屋さんは、子どもの頃お母さんが焼いてくれたお菓子を思い出させてくれます。

ツボミが開くように

Tsubomi House (Tokyo Bud House), FLAT HOUSE FLAT HOUSE Casas

狭小住宅で問題になるのは、なんといっても閉塞感や圧迫感。そこで生まれたのがスキップフロアという新しい選択です。このツボミハウスでは真ん中の階段を中心として、5畳ほどの広さの層がすこしずつずれながら、まるでツボミのように広がっています。壁を取り払うことで、どこにいても家族の気配が感じられる設計は、お子さんがいる家庭にぴったりですね。子供部屋には安全のため網状の仕切が取り付けられました。これで子供たちも安心して、思いっきり遊べます。

光を反射して、そして届けて

Tsubomi House (Tokyo Bud House), FLAT HOUSE FLAT HOUSE Casas

ひだのように折れた天井の美しいフォルムを楽しむことができます。旗竿地最大の問題である採光も難なくクリア。大きな窓から差し込む太陽光が、ひだ状の天井に乱反射しながら、最下層の店舗エリアまで光を届けます。限られたスペースの中で、光に溢れ、開放的で、かつお店をもつ夢まで叶えてしまったこのツボミハウス。アイディアいっぱいの、素敵な住居です。

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