石材を内装や外装に取り入れて、落ち着きと高級感のある住まいにしたいという方もいらっしゃるでしょう。しかし、石材と言っても、大理石や御影石を始めとして、非常に豊富な種類がありますし、取り入れ方としても室内の壁材や床材、あるいは外壁材など色々な方法が考えられますので、どのように石材を使っていけばいいのか迷うことも多々あるはずです。そこで今回は、JUN WATANABE & ASSOCIATESが手がけた建物を辻て、そうした石材の種類や取り入れ方を素敵な実例を通して紹介していきたいと思います。
まず紹介したいのが、こちらのイタリアンスタッコヴェネチアーノを使った壁です。木造トラス梁によって大空間のリビングルームがつくり出されている中に、アクセントとして石材の壁を設けることで、広々とした空間でありながらまとまりのあるインテリアにデザインされています。グレーというあまり強調しない色が遣われていますが、ヴェネチアーノ自体の深みのあるデザイン性によって落ち着きのある雰囲気の中でしっかりとインテリアのワンポイントとなっています。
こちらの住まいでは、黒いスレート石がリビングルーム、そしてテラスの床に用いられています。このように、室内と屋外の床材に同じ素材を使うことで、より広々とした開放的な空間に仕上げられています。そうした室内外を問わず、比較的容易に仕上げ材として用いることができることも石材の1つの魅力になります。こちらではさらに、サッシを全開としたり、リビングルームの真ん中部分の天井を上げるなどして、住まいの中心空間がより明るく開放的になる工夫がなされています。
石材の模様そして色は、インテリアやエクステリアの印象に非常に大きく効果的に影響してきますので、どのような空間にしたいかということを念頭に置きながら、石材の種類やデザインを探していくといいでしょう。こちらの住まいでは、玄関ホールの床が白っぽいテラゾーで仕上げられています。それによって、空間が明るい印象となっています。手前に見える黒い壁との対比によっても、その明るさが際立って見えてきます。
写真:北嶋俊治
石材と言えば、ゴツゴツとした重々しい重厚感のあるものをイメージする方も多いと思いますが、その他にも光沢によって高級感を生み出すこともできる素材です。こちらの住まいでは、玄関の床に白磁器タイル、壁にイタリアンスタッコ塗りで白く輝く美しい空間に仕上げられています。天井にはトップライトが設けられており、そこから降り注ぐ光によって、光沢感のある壁や床がさらに明るく輝いて見えるようになっています。
石自体が持つ模様であったり、加工によって生み出される表面の表情も石材の魅力の1つです。こちらのでは、エラモサ大理石という素材が壁に張られており、それが持つ細かな縞模様や色彩が落ち着きのある高級感をつくり出しています。このエラモサ大理石は、セルベジャンテショコラとも呼ばれるようで、ドバイにあるアルマーニホテルにも取り入れられるなど、その独特の模様が生み出す高級感は世界中で人々を魅了しているようです。
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