どうやってデザインする?3つのポイントでもっと便利なグルニエ(小屋裏収納)をつくる

A.Imamura A.Imamura
敷地に散在していた廃材を活用した住まい「三本木の家」, 一級建築士事務所サトウプラス 一級建築士事務所サトウプラス Pasillos, halls y escaleras rústicos Madera Acabado en madera
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グルニエとは、小屋裏収納を指すフランス語です。フランス語の「Vide grenier(ヴィド・グルニエ)」という言葉は、「蚤の市」という意味ですが、これは”ガレージセールで屋根裏を空っぽにする”という表現として使われています。日本でもフランスでも、このように季節のモノや普段あまり使用しないモノを収めておくのに便利な小屋裏収納ですが、グルニエのデザイン次第で小屋裏収納をもっと便利に、そして活用の幅を広くすることができます。今回は、そんなグルニエをデザインする3つのポイントについて紹介していきます。

グルニエとは?

グルニエとは小屋裏収納を指し、基本的にロフトとは違った意味を持ちます。大きな違いは梯子の可動性にあります。建築基準法においてグルニエに行くためのはしごは固定式でないものと義務付けられています。こちらの様に小屋裏を子ども部屋として使用しているものは、ロフトとしてデザインされています。

クレジット: ​傍島利浩


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※ リビングの写真ページ

1:グルニエの空間デザインは?

あなたのグルニエはどのようにデザインされていますか?グルニエは、屋根に近いので気温に左右されやすい場所です。快適な収納空間にするのであれば、換気や空調機能を整える必要があります。もし収納以外の場所としても活用したいのであれば、すこし空間のデザインにこだわってみるのも良いでしょう。こちらは大容量の小屋裏収納です。梁現しの天井がカッコいいですね!


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トンネル状の屋根裏で繋がりを意識

こちらの全ての個室の上はトンネル状の屋根裏となり、家族の気配を感じ取ることができます。奥には三角形のトンネル状の子供部屋が設けられています。天井廊下の一部にエキスパンドメタルを貼り、落下防止兼採光を得ているので適度な明るさがあります。換気や空調機能を整える意味でもメリットがありますね。


【住まいについては、こちらの記事でも紹介しています】

 最小で最強なロフトの作り方は?

伝統技術を感じる小屋裏収納

こちらは茅葺きの住まいの小屋裏です。シンプルモダンな建物が多く建てられますが、伝統技術を伝承した住まいの子屋根裏収納は、美しい技術と経年変化で味わいのある梁、の芸術的空間を創造します。幻想的で強く印象に残る小屋裏収納です。

新しい小屋裏収納との関係

一般的にグルニエは、日常生活でアクセスすることが少ない場所ですが、こちらの住まいは折角の小屋根裏収納をより居住空間に繋げます。通常は天井の中へ隠れてしまう束柱の小屋根裏空間を屋内空間として取り込んでいます。グルニエと居住空間とを行き来がし易い繋がりをデザインすることで、同時にリビングに開放感も与えています。

クレジット: ©IKUYA SASAKI

2:小屋裏収納へ向かう階段のデザインは?

グルニエとロフトの違いは「梯子」にあるとお伝えしましたが、梯子のデザインも小屋根裏収納の利便性を上げるのに欠かせません。こちらは床の間に設けられた階段箪笥。引き出しや棚を取り付けた階段箪笥は秘密の通路のように小屋裏へと続きます。

クレジット: 三竹忍


可動性と使い易さを意識

こちらはグルニエへ向かうための可動梯子です。可動となるよう梯子は、左右二つのパーツに分かれています。可動式とはいえ、しっかりと手すりが固定されており、通常の階段の様に上っていけるデザインです。荷物を持って階段を上る際にも安心感がありますね。

シンプルなインダストリアル梯子

梯子は、簡単に可動出来るだけでなく、見せていてもおしゃれに見えるデザインを選びましょう。こちらはスッキリとしたデザインで圧迫感の無い梯子です。細い直線ラインとグレーの色で、木をふんだんに使ったインテリアに配置してもおしゃれなアクセントになります。

折り畳み式ですっきり

折り畳み式階段は、廊下や居住空間のスペースを取ることなく、必要な時に取り出してグルニエに向かうことができます。スライドタラップとも呼ばれ、一般的に型手摺が取り付けてあるので荷物を持って昇降しても邪魔になりません。天井蓋の仕上げは好みの素材で仕上げることが出来るので、天井デザインの統一感を保つことができます。

3:どこに小屋裏収納をつくる?

どこからグルニエにアクセスするかという点も重要です。一般的に、天井裏には外気の温度が伝わらないように断熱材が敷き詰められています。小屋根裏収納をつくったものの居住空間の気密性が落ちたなんて言う失敗がないようにしましょう。こちらの住まいは、将来的に2室に分割できるようにデザインされています。小屋根裏へのアクセス場所は、間仕切りした時の動線も考慮して配置されています。

趣味室から小屋裏へ

こちらは、趣味室から小屋裏へと続く長い梯子が印象的な住まい。梯子はインテリアの一部としてデザインする事で空間全体の統一性やおしゃれさが高められています。趣味室に小屋裏収納が設けられているので、趣味のモノや道具などを効率よく片づけるのに便利ですね。

クレジット: L.D.HOMES®

日常生活にちかい屋根裏に

こちらはキッチンリビングから屋根裏へと向かうことができます。屋根は次世代基準の高断熱仕様にすることで、屋根裏空間は快適な趣味の読書スペースとなっりました。キッチン・リビングと緩やかに繋がっていても、しっかりとした屋根断熱でどちらの空間でも快適に過ごすことができます。

廊下に

こちらは玄関を入ってすぐの梯子にをロフトへつながる梯子が設けられています。梯子のデザインが横にワイドなので上る時の梯子の高さを感じさせない愛らしいデザインです。ワクワクするようなロフトの梯子が家のシンボルになりそうですね。

クレジット: PHOTO:Ippei Shinzawa

リビングから

こちらは、二階ホールに面するセカンドリビング兼多目的室です。4枚引戸でフルオープンにすることで、二階全体を1つの空間として活用することができます。奥にはロフトへ向かうスチール梯子が設けられています。

玄関から

こちらは天井の高い玄関に、屋根裏へと続く梯子が設けられています。事務所兼住宅としてデザインされているので、ロフトは収納だけでなくちょっとしたプライベート空間を保つのにも役立ちます。黒いすっきりとした梯子がインテリアのアクセントとなっていますね。

クレジット: 平井美行

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