天井梁は屋根などを支えるための構造部材ですが、大半の住宅では天井をすっきりと見せるために、天井梁の構造部材を隠すことがほとんどです。しかし、天井梁を隠さず構造部材を見せたまま仕上げる見せ梁仕上げも可能です。今回は、天井の見せ梁についての知っておきたい6つのメリットを紹介していきたいと思います。天井の形はインテリアの雰囲気にも大きく影響するので、天井を張る張らないも含めて、しっかりと考慮していきましょう!
天井梁を見せる見せ梁は、天井材を張らない分コストを抑えることができます。こちらの芦田成人建築設計事務所が手掛けた梁天井のリビングは、建設費をローコストに抑える様々な工夫の1つとして、リビングの梁を見せて仕上げています。広い開口のあるリビングの梁を見せて、奥のキッチン側の天井には白い天井を張ることで、天井の違いで柔らかくゾーニングしながら、リビング側に暖かな日差しが差し込み、木の香りでゆったりとリラックスできる空間となっています。
「住まいの写真」ページでは様々な種類のリビングを紹介しています。◀
※ リビングの写真ページ
見せ梁は天井材を張らないことにより、数十センチ、屋根部分の場合では高い所で数メートル高い天井となります。こちらの遠藤浩建築設計事務所が手掛けた住まいでは、南側に吹き抜けを設けていますが、このようにリビングの梁を残しながら一部の床を抜いて広く吹き抜け空間をつくることで、住まい全体により明るさをもたらしてくれるとともに、下の階にも上の階にも心地いい風の吹き抜ける風通しのいい家となります。
【天井については、こちらの記事でも紹介しています】
天井梁を1つのインテリアの要素として取り入れられることも1つのメリットです。特に木造住宅であれば、こちらのKOGA建築設計室が手掛けたのように、屋根の木材の組み方の魅力をインテリアとして取り入れられます。また、構造部材ではない「化粧梁」という内部が空洞となっているもので、インテリアに合わせて自由にその色やデザインを選ぶこともできます。さらに、中が空洞なので、照明などの配線を中に通して、すっきりとした天井に仕上げることもできます。
見せ梁でつくる高さを利用することもできます。こちらのADS一級建築士事務所が手掛けた住まいのように、ロフトを設けることもできます。キッチンと階段の上部にロフトをつくることで、狭小住宅でも空間を有効利用しながら、高い天井がロフト空間も手前のリビング空間も快適な場所としています。このように、機能性や快適性はもちろんのこと、インテリアデザインについても建築家と話し合いながら、天井を効果的に利用してみて下さい!
【天井については、こちらの記事でも紹介しています】
リビングの梁が連続し、印象的な空間をつくるこちらの住まい。梁は外部の縁側まで伸び、高い天井と美しい架構が見え、内部と外部に一体が生まれる設えになっています。延べ床24坪のお宅ですが、この天井高と梁の伸びで実際よりも開放的で伸びやかな印象の平屋住まいが生まれました。
クレジット: Photo by Hiroshi Ueda
こちらは歴史的風情の残る地区に立地する町屋リノベーションの住まい。これまで天井が張られて昼間でも電気を付けないと暗かった空間を見せ梁によって明るく開放的な空間へと変えました。お客さんを迎える薪ストーブを中心としたサロンスペースは明るく入り易い雰囲気を演出しています。
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