築85年の古民家をリノベーションした「牟礼の家」

Michi Koba Michi Koba
「牟礼の家」(古民家リノベーション), 株式会社 創芸 株式会社 創芸
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今回は築85年の古民家をクライアント夫婦の終の棲家としてリノベーションした住まいをご紹介します。二人が快適に暮らすことができる規模への減築、破損部分の補修、構造補強や温熱環境の改善を通して、既存建物の良さを最大限に生かして継承しつつ、現代のライフスタイルに合った間取り、デザインが実現しています。では早速見て行くことにしましょう。

​古民家をより美しく魅せる

香川県高松市、海岸に隣接する場所で、築85年の趣ある古民家別荘がクライアント夫婦が暮らす住まいとしてリモデルされました。写真は中庭から建物を望んだもの。植栽が間引かれ、苔も再生されるなど、建物リノベーションに合わせて中庭も改良されました。そしてその美しい庭を囲む縁側は、庭を愛で、外部空間とのつながりを感じることができる日本建築独特の空間。この既存の空間構成を生かしつつ、透かし彫りの欄間に配慮した新たな照明計画をするなど、より美しく建物が映える工夫がなされています。また海岸に隣接する立地のため、防風林の再構築による防風対策や塩害対策もなされ、さらに構造補強による耐震性向上も図られています。

​広々とした玄関

新たに構造補強された立派な梁が印象的な玄関。洗濯物をするのに便利な通り抜けができるL型の構成が取られています。また玄関は中庭に面しており、家庭菜園や庭作業時の便も考え、土間を含め全体的にゆったりと計画されました。白い天井、壁と濃茶の建具や梁のコントラストが美しく、またペンダントライトや、足元の間接照明など、細部にまでこだわりの感じられるインテリアも印象的です。

和モダンのLDK

リビングからダイニングキッチンを望みます。ここはもともと畳敷きの続きの間でしたが、畳は撤去されフローリングが敷かれました。既存の天井も撤去され、新たに断熱工事をした上で天井が設けられました。ここでは、屋根の勾配をそのまま生かし、梁を表しにした造りとすることで、空間により広がりが生まれています。写真のように障子を開け放てば、中庭との一体感を得ることができ、とても開放的で明るい空間となります。また、キッチン背後の棚は、古い布団箪笥の奥行きを詰めて再利用したもので、旧家の記憶と風情を理想的な形で継承する一品です。

既存を最大限に生かした客間

こちらの客間では既存の造作をなるべく生かして再生することが図られました。壊れていた竹造作の丸窓や木製建具が補修され、障子も既存の物の高さを調整して再利用されています。天井は中央部分を周囲より一段高くとった折り上げ天井で、四国の虎竹が使用されています。シックで落ち着いたデザインが素敵ですよね。また障子は二方向で開け放つことができるため、十分な通風、採光、開放感を得ることができる空間であります。

​オリジナルの畳ベッドがある寝室

こちらは寝室の様子。ここでも梁を表しとして空間に広がりを持たせつつ、全体的にはシンプルでモダンなインテリアでまとめられています。畳ベッドは建築家がオリジナルで設計したもの。和の趣とモダンで快適なライフスタイルが重なり合うデザインです。

【リノベーションについては、こちらの記事でも紹介しています】

※ リノベーションのメリット・デメリットを実例とともに完全解説!

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