本日ご紹介するのはガレージです。風雨から車を守ることが出来れば良い、という単なる車庫ではありません。住人と住宅の個性が表現された様々な機能と顔を持つガレージは、ライフスタイルに合わせた空間利用と自由なアイデアに満ちています。
こちらは車好きにはたまらない、愛車を鑑賞する為の特別なガレージです。地下や玄関の手前にではなく家族が集うリビングルームの隣にガレージを設置、しかもガラス張りにすることで生活の中でいつでも愛車を眺めることができます。ライトアップされたガレージはリビングルームの延長として空間に広がりを与えている上、車は何より高級感のある部屋のデコレーションアイテムとなっています。
土井建築工房が手掛けた「コートハウス」という名の住宅。こちらガレージは中庭の役割も兼ねています。適度な透け感が開放的で軽やかな印象のアルミパンチングの門扉の先にガレージ兼中庭があり、そこを通り抜けると玄関です。各部屋は中庭を囲むように配置されており、どの部屋にいても自然を身近に感じることができます。夜間に間接照明によって浮いたように見える屋根と門扉の奥にうっすら漏れる光が、暖かく心地良い雰囲気を生み出します。
こちらはMASAAKI TAKAHASHI ARCHITECTSによる福岡県嘉穂郡に建つ二世帯住宅。格子を持つガレージはどこか障子を思わせる和風な雰囲気。周囲からの視線を遮りプライバシーを確保すると同時に光は通す明るいガレージです。若者が地元に戻り住み、地域を活気づけ、そして両親とともに安心して楽しく過ごすことができるという地域のライフスタイルのモデルにも成りうるべく、またそういった「内側からにじみ出るような活気のある住まい」を周囲に向けて発信できるように、という建築家の思いは、あえて外観は明るく開放的に、そして行灯のように発光するホールとして形になり、夜の桂川の街並みに柔らかい明かりを灯しています。