禅ガーデンを選ぶ理由はリラックスした雰囲気とその美しさです。
様々なタイプの禅ガーデンがあり、岩や砂利だけを使っているものもあれば、苔や植物、水を使用したものもあります。 しかしやはり重要なのは砂利や石などで川や池などを再現した、自然で調和のあるデザインであること。砂利の表面に波のような線を描くことは瞑想的な効果をもたらし、平静と弛緩を演出します。ラインの始まりと終わりがないようつなげて描くことがポイントです。つまり永遠の流れのように、終わりのないデザインにする必要があります。
丘や山々を表す大きな岩は周辺の模様やラインで強調します。しかし庭の見た目があまりにも幾何学的にならないように気をつけて下さい。可能な限り自然な雰囲気を作成しましょう。
そして配置する岩や石は奇数個にすることが重要です!
禅ガーデンの利点のひとつが場所を問わず設計できるということです。こちらは川を見下ろす屋上テラスに禅ガーデンが造られています。もちろん、スペースが狭いのなら小さい庭デザインを選ぶこともできます。
ここでは砂利で作る典型的な波形は使用されていませんが、地面の分割で川の流れを再現しています。
禅ガーデンのもう一つの利点はデザインに多様性があること。そして暗い雰囲気の小さな庭でさえも癒しのオアシスに変える能力です。例えばこちらはドイツ・ベルリンにある小さな禅ガーデン。放置されていた外部スペースが岩と砂利、低木、そして竹のフェンスを使ったデザインで古典的な日本庭園に変身しました。
こうした庭のもう一つの素晴らしい点は気候に左右されず、どんなエリアやコーナーでも設計できるということです。
自宅に広々とした外部スペースがないという場合にも小型の禅ガーデンなら作成可能です。 作成が簡単で、遊び心のあるガーデニングと瞑想の両方を提供します。 まず長方形のフレームを使用しエリアを区分します。内部を砂や小石または半貴石で満たし、好みで波形ラインを描きましょう。ここに盆栽や鉢植えを置くのもいいでしょう。
こちらの例では砂利を敷き詰めた小さな庭の中心部にさらに小さなミニチュアの池を作成し、蓮を浮かべています。家庭用の水槽サイズなら水換えも簡単ですぐにDIYできます!
日本の風景かと思いきやこちらはドイツ・ニーダーザクセン州リエブナウという場所に作られた日本庭園です! 1996年に作られ、1998年には広大な庭園の中に禅宗の寺院が建てられました。自然の池と茶室があり、まさに瞑想にぴったりの場所。
こちらもドイツにある日本庭園を意識して作られた庭。しかも個人宅の庭です!こちらでは池とたくさんの植物を組み合わせて、自然との触れ合いができるスペースに。リラックスした雰囲気を作り出すためにはすべての要素が互いに調和して存在する必要があります。
クリーンなラインで構成された家とミニマルスタイルの庭という魅力的なデザインのこちら。しっかり区切られたフラットな芝生の庭に一本だけ立つ木が劇的な効果を生んでいます。禅ガーデンや日本的なミニマルさが西洋世界でどのように再解釈されているかがよく分かる例です。伝統的な日本庭園とも異なる、西洋文化を背景に持つ人物による再解釈だからこそ生まれる新しい魅力ですね。
日本庭園の庭木は職人によって様々な形状に剪定されます。丸みを付けて剪定すると柔らかく優しげな表情に、調和のある雰囲気の庭となります。自身で剪定する場合は伸びたところのみをカットし、元の立ち姿に戻す感じで行うとうまくいきます。
こちらはドイツのランドスケープデザイナーが作成した禅ガーデンのデザイン図。
家族が一年を通して外部スペースを楽しめるように設計されています。次の写真で完成図を確認してみましょう。
そしてこちらが完成した庭です。フラットな芝生に花崗岩の踏み石や花壇、植えられたハーブ、背後の林を借景として生かすなど、日本のミニマルスタイルとドイツの自然が融合した禅ガーデンとなっています。
禅ガーデンを作るべき理由、そして目的は結局のところ少ない要素の中で外時間を楽しむという点に尽きます。庭で静かに過ごす時間があるということは生活と心に余裕がある証拠です。今の時点でそれがなかったとしても、こんな日本庭園でしばらく静かな時間を過ごせばきっと余裕を取り戻せるはずです。
小さな日本庭園をDIYする方法はこちらの特集で紹介しています。あわせてご覧下さい!