調理台は調理から食器の片付けなどキッチンでのあらゆる作業で必要となるスペースです。そのスペースの使いやすさによって、キッチンでの作業の効率も変わってきます。そこで今回は、調理台を使いやすくするポイントをまとめて紹介していきたいと思います。コンロやシンクによってもキッチンの作業効率は変わりますので、そうしたキッチンの他の要素とも合わせながら総合的にキッチンを使いやすくする工夫をしていきましょう。
調理台を使いやすくするポイントとしては、まずそのレイアウトが挙げられます。I型キッチンやU型キッチンなどのキッチンレイアウトによって、調理台のレイアウトも変わりますし、それぞれの家庭で台所の広さは異なりますので、取り入れるキッチンレイアウト次第で調理台だけでなく、コンロやシンクの配置も変わってきます。キッチンレイアウトについては、「キッチンレイアウトまとめ集」も参考にしてみて下さい。
調理台の広さによっても当然キッチンの使いやすさは左右されます。その広さは台所の大きさによってももちろん決まりますが、先程のキッチンレイアウトによっても広い作業台を設けることができます。ただし、広い作業スペースを設けようとして奥行きの深い調理台とすると、奥の部分に手が届かず、無駄なスペースをつくってしまうことになりますし、横に長いキッチン台で作業スペースの面積を増やすとキッチンでの移動距離も長くなってしまい、逆に使いづらいキッチンとなってしまいますので、そうした点を考慮しながらキッチン台の広さも決めていきましょう。
キッチンでは立ったまま調理や片付けに長時間かかることもあるため、キッチンに立った時にどのような体勢で作業をするのかで、身体にかかる負担が左右されます。そこで重要となるのが調理台の高さです。その高さが低すぎては前かがみの体勢になり、腰に負担がかかってしまいますし、高さが高すぎても作業がしづらくなってしまいます。身長の高さを2で割って5cmプラスした値が理想的なキッチン台の高さとされていますが、個人差ももちろんありますので、実際に異なる高さを試しながら自分が一番楽な高さを選んでみて下さい。
調理台での作業を楽にするには、作業中の手元を照らしてくれる照明をきちんと設けることも重要なポイントとなります。ほとんどの住まいには台所全体を照らす照明が天井に設置されていると思いますが、特にキッチン台が壁に接してレイアウトされている壁付きキッチンの場合、キッチン台に向かって作業をしていると天井の照明によって自分の影が手元に落ちてしまい、作業のしづらい暗い調理台となってしまいます。そうならないためにも、壁や収納棚の下にしっかりと手元灯を設置していきましょう。
調理台を使いやすくするには、キッチンの壁を上手に利用することも1つのポイントとなります。キッチン台の上には物をついつい置いてしまいがちですが、そうしている内に台の上は物だらけで作業するスペースがないような状態になってしまいます。そうなってしまわないように、壁に棚を設けるなどしてキッチン台ではなく壁に物が置けるような工夫を行ってみて下さい。
掃除のしやすい調理台とすることも使いやすいキッチンにつながるポイントとなります。口に入れる物を扱うキッチンは常に清潔に保ちたい場所でもあるため、掃除のしやすいかたちにしていくことは非常に重要となります。こちらのTAGU DESIGN STUDIO 株式会社が手掛けた住まいのキッチンのように、調理台やコンロとシンクなどの間に隙間や段差をつくらない工夫をしたり、汚れを拭き取りやすく傷の付きにくいようなキッチン台の素材を選ぶなどして、手入れのしやすいキッチン台としてみて下さい。