和の伝統を受け継ぐ地窓。住まいにもたらす6つの大きな効果

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地窓とは、床に接するように開けられる低い位置にある窓のことで、主に和室に取り入れられます。一昔前までは和室に対して否定的な見方が多数ありましたが、最近では和の魅力が凝縮した和室が再び見直されてきて、自宅に和室を取り入れる家庭も増えています。それと相まって、和室によく用いられる地窓にも人気が集まってきています。そこで今回は、和の伝統を受け継ぐそのメリットを紹介していきます。

1、地窓が生み出す柔らかな採光

地窓はその面積が小さく低い位置にあるため、程良い強さの柔らかな光を取り込むことができます。こちらの一級建築士事務所(株)アトリエカーサが手掛けた住宅のように、畳の上に座ってくつろぐ和室では、その柔らかな光はより雰囲気を醸し出してくれますし、廊下などに設けても、仄かに足元を照らしてくれる光はとても和やかな気持ちにしてくれます。

写真:寺島 博美

2、効率的な自然換気

地窓は見ての通り小さな窓ですが、天井に近い位置にある高窓と組み合わせることで、換気扇などを必要としない非常に効率的な自然換気をすることができます。腰壁と腰壁のような同じ高さにある窓の組み合わせよりも、地窓と高窓といった高さの異なる窓の組み合わせにすることにより、室内全体に風を行き渡らせることができ、効率的な換気に加えて風の心地良さをより体感することができます。省エネ住宅では高気密高断熱にすることも大切ですが、同時に効率的に換気をすることも重要となるので、是非それを取り入れた換気も考えてみて下さい。

3、おしゃれな眺め

一般的な腰窓などの大きな開口であれば、わかりやすい開放的な景色を楽しむことができます。それとは反対に、小さくしかも低い位置にある地窓では、ある特定の風景を切り取った絵画のようなおしゃれな眺めを楽しめます。それは、まさに慎ましさや素朴さといった和のデザインの眺望です。住まいにそれを取り入れる際は、是非そこから見える風景にも気を配ってみて下さい。

4、外の視線と交わらない

足元の低い位置にある地窓からは、外を歩いている人との視線が交わることはほとんどありません。窓から見えるのは足元だけですし、面積の小さな窓でもあるので、中の様子が丸見えになるような心配もありません。それでも外からの視線が気になる方は、ブラインドなどをつけることもできるので、場面に応じて対応してみて下さい。こちらの森本建築事務所が手掛けた住宅では寝室に取り入れており、プライバシーを確保しながら、やさしく過ごしやすい寝室空間にデザインしています。

5、和室以外の場所にも

地窓は和室に使われることがほとんどですが、もちろん和室以外の場所にも取り入れることが可能です。根來宏典建築研究所による狭小地に建つこちらの住宅では、玄関の飾り棚の部分に取り入れられています。狭小地の場合は、隣の建物との距離が非常に近いことから、開口を開けると隣家との視線が交わるといった心配がありますが、このように地窓にすることで狭小地でも隣の視線を気にすることなく、開口を開けて光や開放感を得ることができます。

写真:Hiroshi Ueda

6、地窓とガラスブロックとの相乗効果

ガラスブロックは、光を透過する壁やプライバシー保護や高い断熱・遮音性といった多くのメリットを持っていますが、逆に開けることができない窓という弱点も持っています。しかし、ガラスブロックと地窓を組み合わせることで、通風という弱点にうまく対応することができます。さらに、地窓の防犯性を心配する声もありますが、中から見られているのかどうかわからない壁となるガラスブロックの高い防犯性と組み合わせることで、その心配もほとんど解消できるのではないでしょうか。また、こちらの住宅のように、乳白色のガラスブロックを取り入れることで、障子のような柔らかな光を取り込む壁となり、モダンな和室の雰囲気を醸し出してくれます。

和の空間については、こちらの記事でも紹介しています

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